福島県猪苗代町 雪女まつり

 2024年1月20日(土)と1月21日(日)の二日間にかけて行われた、真冬の幻想的な夜の宴。その名も、雪女まつり

 今回は1日だけではありますが、参加しましたので記事を書いてみました!

目次

雪女まつりとは?

 雪女まつりは、中ノ沢温泉郷を中心に2018年から毎年開催され、豊雪を祈願して行われるお祭りです。今年は猪苗代中心部のホテルリステル猪苗代と中ノ沢温泉の二箇所で開催され、「雪女行列」から前も新たに生まれ変わったそうです。

 2018年は暖冬の影響もあり、沼尻スキー場近隣である中ノ沢温泉旅館のスキー客の予約減少が予想されていました。毎年、猪苗代商工会青年部中ノ沢支部では年越しに温泉神社で寄り合いを行っていました。その行事を「雪女」のイベントにする運びとなったのがきっかけなのだそう。

2024年の雪女まつり

 1日目の夕方からひな吉は参加しました。

 残雪残る広場で待っていると、厳かな音楽が広場に流れ始めます。なんとなくだんだんと気温も下がってきたかのように感じました。

 そして…ようやく始まりました。雪女行列です。青い提灯を携えた雪女たちが広場に行列を成して登場しました。真っ白な装束を身に纏った彼女たちは、非常に幻想的です。

行列をなす雪女たち(撮影:笠間ひな吉)

 さらに広場に積み上げられた藁に火がつけられ、燃え上がります。点灯は年女と年男の方々です。

(撮影:笠間ひな吉)

 さらに狐面の集団による和楽器パフォーマンスが始まります。太鼓の音色というのは、どうしてかこんなにも人間の心を高ぶらせるのでしょうか。

(撮影:笠間ひな吉)

 そして、雪女の方々による「雪乞い」が始まりました。そして…、雪女の祈りを通じたのでしょうか、まつり最中には雪がちらつきます。

(撮影:笠間ひな吉)

 
  寒くて、凍えてしまいそうな猪苗代の夜。もう帰ってしまいたいと何度も思ってしまいましたが、寒さに打ち勝ったかいがあったと思うほど、非常に幻想的なおまつりでした。

「雪女」のいない町

  中ノ沢温泉には雪女の伝承、まつわる話は実はありません。しかし、そんなバックグラウンドがない町に誕生した雪女のまつり。このまつりを目当てにこられる方々は、主にカメラマンや各地に散らばっている妖怪好きの方々なのだそう。この日のために、わざわざ関西の方から飛び出してくる猛者もいらっしゃったとか。

 彼らが求めているのは、雪女の仮装者と、冬の夜景といったいわゆる写真映えする幻想的なシーン、あるいは自分たちの好きな「妖怪コンテンツ」に当てはまる状況が生み出されているから。ずばり言ってしまえば、これはコンテンツツーリズムの一種といえるでしょう。

 妖怪愛好家にとってその伝承・伝説の生まれた場所は一種の聖地です。しかし、このまつりのように、妖怪をテーマとして取り扱った地方の定期イベントがあることは、「妖怪」コンテンツを妖怪のいない町にも芽生えさせることができることを意味しているのではないかと考えます。

コラム 雪女

 雪女は、各地でいう雪の怪異のこと。

 岩手県や宮城県では雪女に出会うと精を抜かれてしまうといわれ、茨城県盤城地方では行き会った旅人に雪女が声をかけ、旅人が返事をせずに後ろ姿を見せると谷底へ突き落してしまうという。

 新潟県では人を凍死させたり、子供をさらって生き胆を取ってしまうと伝えられている。青森県津軽地方では赤ん坊を抱いてくれといって現れるといい、それに応じると赤ん坊はたちまち天にまで届くほど大きくなるという。さりとて断ればその人は死んでしまう。弘前のある武士がこの雪女に出会ったとき、短刀を口にくわえて赤ん坊の頭すれすれのとこに刃がくるようにした。すると、赤ん坊は成長しなかった。そうこうしてから雪女に子供を抱いてくれたことに感謝して、様々な宝物をくれたという。

参考文献

 村上健司(2000)『妖怪事典』

福島で行われる年越しのお祭り「雪女行列」とは?主催者にお話を聞いてきました。 | オカルティー (occulty.net)

【福島県猪苗代町】雪女まつり2024: 福島の冬に妖艶な雪女たちが大集結! | 旅飯福島 旅と食の物語 (tabi-navi.net)

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