「ゲゲゲの鬼太郎」 その魅力を語りたい

 皆さんの“妖怪”の原点は何でしょうか?幼いころに聞いた怪談?それともホラー作家の小説?あるいは、“妖怪”がモチーフのアニメ作品かもしれません。

 ひな吉にとって、最初に“妖怪”という存在を知るきっかけとなったのは、水木しげる原作のアニメ五期「ゲゲゲの鬼太郎」でした。

 「ゲゲゲの鬼太郎」は今や国民的アニメともいえる妖怪作品の代表格です。今回は、そんな「ゲゲゲの鬼太郎」の魅力について、語っていきたいと思います!

目次

『ゲゲゲの鬼太郎』について

『ゲゲゲの鬼太郎』とは?

 妖怪漫画の第一人者、水木しげるが紙芝居、貸本を経て「週刊少年マガジン」に連載した「墓場の鬼太郎」シリーズを原作にテレビアニメ化した。 その際、タイトルを『ゲゲゲの鬼太郎』に改題。 鬼太郎のキャラクターも、人間やこの世にあだをなす悪い妖怪を懲らしめる、ゆうれい族最後の少年という設定に変更され、より親しみやすくなった。1968年に第1作(期)が放送されるや全国に妖怪ブームを巻き起こし、 以来約10年毎に新作が放送され、現在は2007年の第5期までが存在する。人気の秘密は、鬼太郎をはじめ登場する妖怪たちのユニークなキャラクターもさることながら、悪いことをした者は妖怪に限らず人間でも懲らしめる、 という徹底した勧善懲悪ストーリーにある。妖怪ポストに救いを求める声が届けば今日も鬼太郎は「カランコロン」というゲタの音とともにやって来るのだ。

東映アニメーション公式ホームページ(アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」50周年サイト – 東映アニメーション (toei-anim.co.jp))より

 「ゲゲゲの鬼太郎」の主人公は鬼太郎という、ゆうれい族最後の少年です。

 ゆうれい族とは、現生の人類が誕生する遥か以前に、地球を支配していた先住民族で、作品内では『第一期人類』とも呼称されています。アニメ版鬼太郎の基本的なストーリー展開は、人知の及ばぬ不思議な存在である妖怪に悩まされる人間が、妖怪ポストと呼ばれるポストに鬼太郎にあてて手紙を出すことで、鬼太郎が悪い妖怪を討伐してくれるというものです。

 悪い妖怪を討伐するときに、鬼太郎とともに活躍するのが、猫娘、ねずみ男、砂かけばばあ、子泣きじじい、ぬりかべ、一反もめんです。いわゆる鬼太郎ファミリーと総称されていますね。ただし、ねずみ男は己の欲望に忠実なため、トラブルを頻繁に起こし、時には鬼太郎の敵になったりもします。妖怪と人間に生まれた半妖怪である彼の複雑な生い立ちはアニメの中では明かされていませんが、その泥臭くも人間らしい生き方が魅力となっています。

鬼太郎の変遷

 水木しげるによる「鬼太郎」シリーズの変遷は非常に複雑なため、ここではかなりはしょりながら大まかな流れを追って説明いたします。 

『墓場鬼太郎』から『鬼太郎夜話』、『墓場の鬼太郎』、そしてアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」へ

 1950年代、紙芝居作者であった水しげるが当時の人気作品であった『ハカバキタロー』を題材にして描かれたとされるものが、『墓場鬼太郎』です。これが、鬼太郎シリーズの原点であったとされています。しかし、人気がそれほど出なかったため、複製はされませんでした。

 その後、貸本漫画家に転身した水木しげるは1960年代に『妖奇伝』というアンソロジータイプの貸本で「鬼太郎」を復活させます。売れ行きが悪く『妖奇伝』はすぐに廃刊してしまいますが、熱烈なマニアに答えるカタチで『妖奇伝』は『墓場鬼太郎』とタイトルを変えて再出発をすることになりました。

 しかし、版元側とのトラブルにより、出版社を変えて『墓場鬼太郎』は初の長編『鬼太郎夜話』シリーズが開始します。ちなみに、このときに、鬼太郎が「幽霊族」と呼ばれる地球の先住民の末裔という設定ができました。

 さらに965年、『週刊少年マガジン』で『墓場の鬼太郎』が読み切り連載として登場します。この時期、水木しげるは大活躍します。貸本時代に描かれ、凄まじい人気を誇っていた『悪魔くん』の実写テレビ化企画が進行していました。さらに講談社の『ぼくら』で『カッパの三平』の連載が開始されます。

 この波にのりにのりまくった時期、『墓場の鬼太郎』がタイトルを『ゲゲゲの鬼太郎』と改められてテレビアニメ化するのです。こうして、鬼太郎は大ヒットし、妖怪ブームを巻き起こしたのです・・・。

 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の変遷

 アニメ化された『鬼太郎』ですが、さすがの人気で約10年の間隔で幾度もアニメ界に甦り、現時点での最新作は2020年3月に放送を終えた第6期が最新作となっています。

 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」は再アニメ化のたびにスタッフとキャストが入れ替わるのが特徴ですが、作風もその都度、放送される時代の世相、風俗を取り入れた内容になりやすいです。

 モノクロで製作された第1期の鬼太郎のキャラクターは、人間界に仇なす悪い妖怪を退治する正義の味方のポジションで、子どもが親しみやすい作風として描かれています。

 カラー版となった第2期では、原作のストックが少なくなったことから、鬼太郎が登場しない怪奇短編を脚色したエピソードが多く制作されることとなりました。公害や物質文明に警鐘を鳴らしたり、強欲な人間が因果応報で悲惨な末路を辿る風刺性の強いシリーズになったのが特徴です。

 しかし、これが少し怖すぎたのか、第3期の鬼太郎は人間の少女・天童ユメコを守って戦うヒーロー的な立ち位置になりました。砂かけ婆、一反もめんなど鬼太郎に加勢する鬼太郎ファミリーが固定化されたのも本作からで、第2期ほどの暗さはなくなっています。コミカル色の強かった3期から一転、第4期には、原点復帰の怖い鬼太郎が目指されました。

  そして、第5期では、登場する妖怪はどれも、人間以上に人間らしくて個性的に。親しみやすい作風でありながらシリーズ本来の怖さや不気味さも存分に表現した、出色のエンターテイメントとなっております。ちなみにですが、ちょうどこの時代が、ひな吉がリアルタイムで「ゲゲゲの鬼太郎」を視聴しておりました。

 最新の第6期では、ネット社会を中心とした現代ネタが取り入れられたり、キャラクターのデザインが今の時代に親しみやすいよう修正されたりと、これまでのシリーズにはないような魅力がつまっています。

「鬼太郎」の魅力

 何度も日本のアニメ界に舞い戻り、そのたびにブームを起こし、人々に妖怪という存在を教えてくれる「鬼太郎」。

 ここからは、ひな吉個人の思う鬼太郎の魅力について語りたいと思います。

 魅力その1 基本一話完結型で多くの妖怪に出会える

 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」は基本的には一話完結型であり、一話ごとに異なる妖怪たちが登場します。5期を見ていたひな吉は、「次はどんな妖怪だろう?」と毎度のことながらわくわくしていたものです。

 多くの妖怪を知りたい。それがきっかけとなり、水木しげるの妖怪図鑑を購入し、表紙が折れ曲がるまで読み込んだことを覚えています。

 また、鬼太郎は妖怪ポストに出された依頼の場所まで移動します。つまり、旅をするのです。全国各地を巡り、多くの妖怪に出会う。怪異との出会いの多くが、自分の見知らぬ土地で―――つまりは、旅先で起こります。怪談話の典型ともいえますね。鬼太郎はまさに、その土台があると言えるでしょう。

 魅力その2 徹底した勧善懲悪

 鬼太郎が成敗するのは、何も悪い妖怪だけではありません。「幽霊電車」や「地獄流し」などの回に代表されるように、悪事を働いた人間をも成敗します。

 ただのヒーロー物で終わらない、鬼太郎独自の世界線。個人的には、一番ここが鬼太郎の魅力だと思っています。

 蛇足ですが、鬼太郎の人間に対するスタンスは、各シーズンごとに少しずつ違っているので、それを比べてみるのも面白いと思います。

 魅力その3 鬼太郎と妖怪の戦いの裏に隠された深い話の数々

 アニメの回の中には、本当に子供向けのアニメ作品なのかと思わせるような深い話があったりします。例えばですが、有名なのはアニメ2期「隠里の死神」の回。

 死神にさらわれて、子供たちは隠れ座頭の作った、時間の止まった隠れ里で400年もの間暮らしており、そこを鬼太郎が元の世界に戻してあげようとするお話です。隠れ座頭は、ずっと生きて居られる空間で生活することで、子供たちが幸せになれると考えていました。しかし、それは善意の押し付けです。鬼太郎は隠れ座頭を倒し、元の世界へ子供たちと帰ろうとするのですが、400年分の時の流れが戻り、子供たちはみな白骨化してしまった・・・というものです。善意の押し付けは、鬼太郎自身も変わらなかったのではないだろうか?そんな含みを持たせるようなストーリーです。

 鬼太郎作品は時代ごとに新たなシーズンが出ているので、なかなか過去のシーズンを見ようとする機会はないかもしれません。しかし、こうした暗く、切なくもある深いストーリー展開があるのは、過去のシーズンならではだと思います。

 まだまだアマゾンプライムやネットフリックス等で見る機会があると思うので、気になった方はぜひ視聴してみてください。

まとめ 

 以上、「ゲゲゲの鬼太郎」を中心に今回は記事を書いてみました。

 「ゲゲゲの鬼太郎」は、多くの人々の妖怪の原点ともいうべき名作品です。皆さんも、ぜひ今一度「鬼太郎」を視聴しなおしてみてはいかがでしょうか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA と Google によって保護されていますプライバシーポリシー利用規約 申し込み。

The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.

目次